「うちのブリティッシュショートヘアは、本当に寒さに強いのかな?」と感じたことはありませんか。
そのずんぐりとした愛らしい姿から、冬でも元気いっぱいなイメージがありますよね。
確かに、ブリティッシュショートヘアはイギリス原産で寒さに強い猫種として知られ、その秘密は密度が高く皮毛が厚いダブルコートにあります。
しかし、その一方で換毛期は抜け毛が多いといった特徴もあり、こまめなケアが欠かせません。
また、寒さに強いからといって、全く対策をしなくて良いわけではなく、快適な冬を過ごすためには適切な寒さ対策も必要です。
暖房の設定温度は何度が良いのか、冬の適温とはどのくらいなのか、そして冬場に気をつけることなど、飼い主として知っておくべきポイントはたくさんあります。
この記事では、ブリティッシュショートヘアが持つ寒さへの耐性の理由から、具体的な冬の過ごし方、健康管理の注意点までを詳しく解説します。
寒さに強いブリティッシュショートヘアの身体的特徴
- イギリス原産で寒さに強い猫種
- 防寒性に優れた皮毛が厚いコート
- 換毛期は抜け毛が多い点に注意
- 猫が寒さを感じているサイン
- 子猫や老猫は体温調節が苦手
イギリス原産で寒さに強い猫種

ブリティッシュショートヘアが寒さに強い猫種であると言われる最大の理由は、その名の通り、彼らのルーツが寒冷で湿潤な気候のイギリスにあるという歴史的背景にあります。
彼らのたくましい体つきや密度の高い被毛は、一朝一夕で形成されたものではなく、長い年月をかけてイギリスの気候に適応してきた進化の賜物なのです。
その歴史は、一説によれば2000年以上も昔、古代ローマ人がブリテン島へ遠征した際に、食料をネズミの害から守るワーキングキャットとして大陸から持ち込んだ猫が祖先だとされています。
当時の猫に求められたのは愛玩動物としてのかわいらしさではなく、厳しい環境下でも自立して生き抜くことができるたくましさでした。
このため、寒さや湿気に強く、病気にもかかりにくい頑健な個体が自然と選ばれ、その血を現代に受け継いでいると考えられています。
もっと言えば、彼らの体型そのものが寒さへの適応を示しています。
「セミコビータイプ」と分類される、がっしりと丸みを帯びたコンパクトな体つきは、体積に対して体表面積を小さくすることで、体内の熱が外へ逃げるのを最小限に抑えるのに非常に効率的なのです。
これは、熱を放出しやすいように手足が長くスレンダーな体型に進化した、温暖な地域が原産の猫種とは対照的です。
加えて、熱を生み出す源となる筋肉が豊富についた力強い体も、体温を高く維持するのに役立っています。
このように、ブリティッシュショートヘアの寒さへの耐性は、単なるイメージではなく、歴史と身体構造に裏付けられた確かなものです。
このため、日本の冬の寒さに対しても比較的、高い順応性を見せることが多いでしょう。
しかし、ここで注意しておきたい点があります。
それは、猫種としての一般的な傾向が、必ずしも全ての個体に当てはまるわけではない、ということです。
いくら寒さに強い遺伝的素質を持っていたとしても、一頭一頭の性格や体質、そして現在の飼育環境によって寒さの感じ方は大きく異なります。
例えば、生涯を通じて温度管理の行き届いた室内で暮らしてきた猫と、屋外の環境も知っている猫とでは、寒さへの実際の耐性は違ってきます。
また、体温調節機能が未熟な子猫や、筋肉量が落ちてくるシニア猫は、成猫に比べて寒さの影響を受けやすいことも忘れてはなりません。
これらの理由から、「ブリティッシュショートヘアだから寒さは平気」と過信するのではなく、あくまで一つの傾向として理解した上で、愛猫一頭一頭の様子をよく観察し、その子に合った環境を整えてあげることが何よりも大切になります。
防寒性に優れた皮毛が厚いコート

ブリティッシュショートヘアの寒さへの耐性を物理的に支えている最大の要素は、疑いようもなく、その特徴的な被毛にあります。
一見すると、ただフワフワとしていて愛らしいだけに見えるかもしれませんが、この被毛にはイギリスの厳しい自然環境を生き抜くための、精巧な秘密が隠されているのです。
その秘密こそが「ダブルコート」と呼ばれる二重の毛構造です。
このダブルコートは、それぞれ異なる役割を持つ二種類の毛によって構成されており、まさに天然の高性能な防寒着として機能します。
ガードヘア(上毛)の役割
まず、被毛の外側を覆っているのが、硬くしっかりとした「ガードヘア」です。
この毛は、雨や雪といった水分を弾き、風から皮膚を直接守る、いわばアウターシェルの役割を果たします。
特に湿度の高いイギリスの気候において、この撥水性は非常に重要です。
なぜなら、内側にある保温のための毛が濡れてしまうと、その機能が著しく低下してしまうからです。
ガードヘアが外的な刺激をブロックすることで、初めて内側の毛がその真価を発揮できます。
ダウンヘア(下毛)の役割
そして、そのガードヘアの下には、柔らかく綿毛のように密集した「ダウンヘア」が存在します。
この細かく、わずかに縮れた毛が、体温によって温められた空気をたっぷりと抱え込み、暖かい空気の層を作り出します。
これが、外の冷たい空気を遮断し、体温を逃がさないための強力な断熱材となるのです。
ブリティッシュショートヘアの被毛に手を入れたときに感じる、あのしっかりとした弾力と温もりは、この高密度なダウンヘアによるものです。
これを衣服に例えるならば、ガードヘアが撥水性と防風性を備えたジャケットの表地だとすれば、ダウンヘアはその内側にぎっしりと詰まった暖かい羽毛(ダウン)そのものです。
この二重構造が組み合わさることで、彼らは厳しい冬の寒さの中でも体温を効果的に維持することができるのです。
高性能なコートの注意点
この素晴らしい被毛は、冬の寒さに対しては大きなメリットとなりますが、一方で注意すべき点もあります。
これほど高密度な被毛は、夏場には熱がこもりやすく、暑さには弱い側面も持ち合わせています。
冬の寒さ対策と同時に、夏の暑さ対策として、風通しの良い涼しい環境を用意してあげることも、彼らの健康管理には不可欠です。
このように、ブリティッシュショートヘアの被毛は、ただ美しいだけでなく、極めて機能的な構造をしています。
この豊かな自然の恵みを維持するためにも、後述する換毛期のお手入れや、日頃のブラッシングがとても重要になってくる、というわけですね。
換毛期は抜け毛が多い点に注意

前述の通り、防寒性に優れた厚い被毛を持つブリティッシュショートヘアですが、その裏返しとして、換毛期には非常に多くの毛が抜けるという点に注意が必要です。
換毛期とは、季節の変化に対応するために被毛が生え変わる時期のことで、主に春と秋の年2回訪れます。
春には冬の間の暖かいアンダーコートがごっそりと抜け落ち、夏仕様の涼しい毛に。
秋には逆に、冬の寒さに備えてアンダーコートが密に生え揃います。
換毛期のケアを怠るリスク
この時期にブラッシングなどのケアを怠ると、いくつかの問題が生じる可能性があります。
- 毛球症(もうきゅうしょう):猫は自分で体を舐めて毛づくろいをしますが、その際に飲み込む抜け毛の量が多すぎると、胃や腸の中で毛が絡まって塊となり、食欲不振や嘔吐、便秘などの原因となる「毛球症」を引き起こすことがあります。
- 皮膚トラブル:抜けた毛が体に絡まったままだと、通気性が悪くなり、皮膚炎などのトラブルを招くことがあります。
- 室内の衛生問題:抜け毛が部屋中に舞い、アレルギーの原因になったり、掃除が大変になったりします。
これらのリスクを防ぐためにも、換毛期には毎日、それ以外の時期でも週に数回はブラッシングをしてあげることが非常に重要です。
ラバーブラシや獣毛ブラシなど、短毛種用のブラシを使って、優しく抜け毛を取り除いてあげましょう。
猫が寒さを感じているサイン

寒さに強いブリティッシュショートヘアでも、もちろん「寒い」と感じることはあります。
猫は言葉で不調を訴えることができないため、飼い主がその行動からサインを読み取ってあげることが重要です。
以下に挙げるような行動が見られたら、それは愛猫が寒さを感じているサインかもしれません。
サイン | 猫の気持ち・行動の理由 |
---|---|
体を小さく丸める | お腹を冷えから守り、体の表面積を小さくして熱が逃げるのを防いでいます。いわゆる「アンモニャイト」のポーズです。 |
暖かい場所を探す | 日当たりの良い窓辺や、暖房器具の近く、飼い主の膝の上など、暖かい場所を求めて移動します。 |
毛布やクッションに潜る | 狭くて暖かい場所に潜り込むことで、安心感を得ながら体を温めようとしています。 |
水を飲む量が減る | 寒いと動きたくなくなり、喉の渇きも感じにくくなるため、飲水量が減ることがあります。これは泌尿器系の病気のリスクを高めるため注意が必要です。 |
小刻みに震えている | 筋肉を細かく震わせることで熱を産生しようとしています。これは体がかなり冷えている証拠です。 |
これらのサインに気づいたら、室温を見直したり、暖かい寝床を用意してあげたりと、愛猫が快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。
子猫や老猫は体温調節が苦手

ブリティッシュショートヘアという猫種が寒さに強い傾向があるとはいえ、ライフステージによっては特に注意が必要です。
特に、子猫やシニア猫(老猫)は、健康な成猫に比べて寒さへの耐性が低いことを覚えておきましょう。
子猫の場合
生まれたばかりの子猫は、まだ自分で体温を調節する機能が十分に発達していません。
生後4ヶ月頃までは、母猫や兄弟猫と体を寄せ合って暖を取りますが、一頭でいる場合は体温が下がりやすい状態です。
子猫を迎えた際は、ペットヒーターを用意したり、室温を成猫よりも少し高め(26℃前後)に保ったりする配慮が必要です。
シニア猫(老猫)の場合
猫も7歳頃からシニア期に入ります。
年齢を重ねると、人間と同じように基礎代謝が落ち、筋肉量も減少していきます。
筋肉は熱を生み出す重要な役割を担っているため、筋肉量が減ると体温を維持する力が弱まり、寒がりになる傾向があります。
また、関節炎などの持病があると、寒さで痛みが増して動きたがらなくなることも。
若い頃は平気だったとしても、愛猫の年齢に合わせて冬の環境を見直してあげることが大切です。
若い頃はエアコンの効いた涼しい場所を好んでいた子が、シニアになって日当たりの良い場所で丸まっている姿を見かけるようになるかもしれません。
それは自然な変化ですので、暖かいベッドを用意したり、段差の少ない場所に寝床を作ってあげたりと、優しくサポートしてあげてくださいね。
寒さに強いブリティッシュショートヘアの冬の寒さ対策
- 耐寒性があっても寒さ対策も必要
- 快適な暖房の設定温度とは?
- 猫にとっての冬の適温と湿度管理
- 冬場に気をつけること【健康管理】
- 留守番中の暖房と安全な環境
- まとめ:ブリティッシュショートヘアは寒さに強いが対策は大切
耐寒性があっても寒さ対策も必要

前述の通り、ブリティッシュショートヘアは寒さに強いルーツと、それに適応した身体的特徴を兼ね備えています。
しかし、その事実に安心しきってしまうのは早計かもしれません。
なぜなら、彼らが持つ耐寒性は「全く寒さを感じない」という意味ではなく、「ある程度の寒さには耐えることができる」という能力に過ぎないからです。
そして、愛猫の健康と幸せな暮らしを考える上で、「耐えられる」ことと「快適である」ことの間にある大きな違いを理解しておく必要があります。
例えば、私たち人間も少し肌寒い程度の気温であれば、すぐに体調を崩すことなく活動できます。
しかし、その状態が長時間続けば、体は無意識のうちに体温を維持しようとエネルギーを消費し、知らず知らずのうちにストレスが蓄積していくでしょう。
猫も全く同じです。
我慢できる範囲の寒さの中にいても、その体は常に熱を産生し続けなければならず、そのエネルギー消費は免疫機能の低下など、他の生命活動に影響を与える可能性があります。
つまり、寒さに耐えている状態は、猫にとって決して心身ともにベストな状態とは言えないのです。
加えて、現代の飼育環境がもたらす変化も考慮に入れる必要があります。
野生の祖先とは異なり、今日の多くのブリティッシュショートヘアは、一年を通して温度管理された快適な室内で暮らしています。
このような環境に長年慣れ親しんだ体は、厳しい寒さに対応するための本来の生理機能をフルに発揮する機会がありません。
これは、日常的にトレーニングを積んでいるアスリートと、主にデスクワークで過ごす人とでは、同じ身体能力を持っていても発揮できるパフォーマンスが異なるのと似ています。
遺伝的な素質はあっても、その能力が現在の生活環境に合わせて最適化されてしまうのです。
では、具体的にどのような場合に寒さ対策が必要になるのでしょうか。
健康な成猫であっても、以下のような状況では飼い主のサポートが求められます。
- 急激な冷え込みがあった日:普段の気温から大きく下がるような寒波の日は、猫も体温調節に苦労することがあります。
- 家が古かったり、床が冷たかったりする場合:断熱性の低い家や、フローリング、タイルなどの床は、暖房をつけていても底冷えしがちです。
- シャンプーの後:濡れた被毛は断熱性を失うため、体が非常に冷えやすくなります。完全に乾くまで暖かく保つ必要があります。
- 病気や怪我からの回復期:体のエネルギーを治癒に集中させているため、体温維持に回す余力が少なくなっています。
これらの理由から、ブリティッシュショートヘアの持つ耐寒性を過信せず、個体差や年齢、その日のコンディションをしっかりと観察することが飼い主の大切な役割となります。
愛猫が快適な環境でリラックスして過ごせるように配慮することは、決して過保護ではなく、病気を未然に防ぎ、健やかな毎日を支えるための重要な健康管理の一部と言えるでしょう。
観察し、その子に合った適切な寒さ対策を講じてあげることが、飼い主の大切な役割と言えるでしょう。
快適な暖房の設定温度とは?

愛猫が快適に冬を過ごせるように暖房器具を使う際、多くの飼い主さんが「一体何度に設定するのが正解なのだろう?」という疑問に直面します。
人間が快適な温度と猫が快適な温度は必ずしも同じではないため、適切な設定を知ることは非常に重要です。
まず、一般的な目安として覚えておきたいのは、健康な成猫がいる場合の暖房設定温度は22℃前後である、ということです。
これは人間にとっては少し涼しく感じられるかもしれませんが、全身を保温性の高い毛皮で覆われている猫にとっては、活動的に過ごす上で過度に暑すぎず、快適さを保てる絶妙な温度帯なのです。
しかし、この「22℃」という数字は、あくまで全ての基本となるスタートラインに過ぎません。
実際には、愛猫の年齢や健康状態、また飼い主さんの在宅状況によって、最適な温度は柔軟に調整する必要があります。
ライフステージに合わせた温度調整
猫の一生において、寒さへの耐性は一定ではありません。特に配慮が必要なのが子猫とシニア猫です。
- 子猫やシニア猫、療養中の猫の場合
体温を調節する機能が未熟な子猫や、加齢により筋肉量が減少し体温を維持しにくくなっているシニア猫、あるいは病気と闘っている猫の場合は、もう少し高めの24℃から26℃を目安に設定してあげると良いでしょう。体が冷えやすい彼らにとって、少し高めの室温は体力の消耗を防ぎ、安心感にもつながります。
留守番中の温度管理と安全性
飼い主さんが外出する際の留守番中の温度管理は、快適性と安全性の両面から考える必要があります。
万が一の熱中症や脱水を防ぐため、在宅時よりも少し低めの20℃前後に設定するか、エアコンのタイマー機能を活用するのが賢明です。
例えば、気温が下がる夕方から夜にかけて数時間だけ稼働させるように設定すれば、電気代の節約にもなり、安全性を高めることができます。
理想は「温度勾配」のある部屋づくり
実は、部屋全体を均一の温度に保つことよりも、猫にとっては部屋の中に「暖かい場所」と「少し涼しい場所」が混在する「温度勾配」のある環境のほうが理想的です。
猫は本来、その時々の体調や気分に合わせて自分で快適な場所を見つけるのが得意な動物です。
暖かいペットヒーターを置いた寝床、日当たりの良い窓辺、そして少し離れた涼しい床の上など、猫が自由に場所を選べる環境を整えてあげることで、猫はセルフコントロールで常に最高の快適さを手に入れることができます。
さらに、暖房を使用する上で温度設定と同じくらい注意したいのが、エアコンの風です。
エアコンの温風が猫のベッドやお気に入りの場所に直接当たり続けると、体温が必要以上に奪われたり、皮膚や被毛、眼や鼻の粘膜が乾燥したりする原因となります。
風向きを調整する、風よけのルーバーを取り付けるなどして、優しい空気の流れを作ることを心がけましょう。
猫にとっての冬の適温と湿度管理

冬の快適な環境づくりにおいて、温度と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが湿度管理です。
エアコンなどの暖房器具を使用すると、室内の空気は非常に乾燥します。
空気が乾燥すると、人間だけでなく猫にとっても様々な悪影響があるのです。
乾燥がもたらすリスク
- ウイルスの活性化:空気が乾燥すると、風邪やインフルエンザなどのウイルスが空気中に浮遊しやすくなります。これにより、猫風邪などの感染症リスクが高まります。
- 呼吸器系への負担:乾いた空気を吸い込むことで、鼻や喉の粘膜が乾燥し、刺激を受けやすくなります。
- 皮膚のトラブル:皮膚が乾燥してフケが出やすくなったり、痒みの原因になったりします。
- 静電気の発生:猫が体をこすりつけた際にパチッと静電気が起こると、猫は驚いて不快に感じてしまいます。
快適な湿度は50~60%
猫にとって快適な湿度の目安は、人間と同じく50~60%です。
冬場は暖房によって湿度が30%以下になることも珍しくありません。
加湿器を適切に使用したり、濡れたタオルを室内に干したりして、常に適切な湿度を保つように心がけましょう。
これは、愛猫だけでなく、飼い主さん自身の健康管理にもつながります。
冬場に気をつけること【健康管理】

冬は、寒さそのものだけでなく、それに伴う行動の変化から引き起こされる健康トラブルにも注意が必要です。
特に注意したい2つのポイントについて解説します。
飲水量の低下と泌尿器系疾患
冬場に最も注意したい病気の一つが、膀胱炎や尿石症といった泌尿器系の疾患です。
寒くなると猫は活動量が減り、喉の渇きを感じにくくなるため、水を飲む量が自然と減ってしまいます。
飲水量が減ると尿が濃縮され、膀胱の中で結晶や結石ができやすくなったり、細菌が繁殖しやすくなったりするのです。
これを防ぐためには、猫が自然に水分を摂取できるような工夫が効果的です。
- 水飲み場を複数設置する
- ぬるま湯(人肌程度)を用意してあげる
- ドライフードにウェットフードをトッピングする
- 循環式の給水器を試してみる
運動不足と肥満
寒いと暖かい場所でじっとして過ごす時間が増えるため、どうしても運動不足になりがちです。
運動不足は肥満の直接的な原因となり、肥満は関節炎や糖尿病、心臓病など、様々な病気のリスクを高めます。
飼い主が意識的におもちゃで遊ぶ時間を作り、1日に最低でも5分~10分は集中して遊んであげるようにしましょう。
キャットタワーを設置して、上下運動を促すのも非常に効果的です。
留守番中の暖房と安全な環境

飼い主さんが仕事などで家を空ける際の、留守番中の環境づくりには特に注意が必要です。
最も重要なのは安全性の確保です。
石油ストーブやガスファンヒーター、パネルヒーターなど、猫が直接触れると火傷の危険がある暖房器具をつけっぱなしにして外出するのは絶対にやめましょう。
火災のリスクも伴います。
留守番中におすすめの暖房方法
- エアコン:タイマー機能を活用し、室温が下がりすぎる時間帯に運転するように設定するのが最も安全です。
- ペット用ホットカーペット:低温やけどのリスクが低く、コードが保護されている製品が多いため、比較的安全に使用できます。
- 湯たんぽ:電気を使わないため安全性が高いですが、低温やけど防止のため必ずタオルやカバーで包んで使用してください。
もう一つ大切なのが、猫自身が体温調節できる「逃げ場」を用意してあげることです。
部屋全体を暖めすぎるのではなく、ホットカーペットなどの局所的な暖房を使い、部屋の他の場所は涼しいままにしておくのが理想です。
そうすることで、猫は「暑いな」と感じたら涼しい場所に、「寒いな」と感じたら暖かい場所に、自分で移動して快適な温度を保つことができます。
感電事故にも注意!
猫は暖房器具の電気コードに興味を示し、かじってしまうことがあります。
感電事故を防ぐため、留守番中に限らず、コードには保護カバーをつけたり、家具の裏に隠したりするなどの対策を徹底しましょう。