
愛らしいルックスで人気のブリティッシュショートヘア。
中でも、特に鼻ぺちゃな子の魅力に惹かれる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、そもそも鼻ぺちゃの猫はなぜこれほど人気なのか、他の鼻ぺちゃ猫の種類との違い、そして気になる長毛タイプについて解説します。
また、実際に家族として迎える前に知っておきたい、飼育上のデメリットはあるのか、鼻水が出やすいといった噂や特有の病気のリスクについても詳しく掘り下げていきます。
ブリティッシュショートヘアの鼻ぺちゃな子との暮らしをより深く理解するための一助となれば幸いです。
ブリティッシュショートヘアの鼻ぺちゃの魅力とは
- 鼻ぺちゃの猫がかわいいと言われる理由
- まん丸な顔とずんぐりした体型が特徴
- 穏やかで自立心の強い性格
- 他の鼻ぺちゃ猫の種類と特徴の違い
- 鼻ぺちゃで長毛タイプはいるの?
鼻ぺちゃの猫がかわいいと言われる理由

「ブサカワ」という言葉に象徴されるように、鼻ぺちゃの猫が持つ独特の愛嬌は、多くの人々を魅了しています。
では、なぜ私たちは鼻ぺちゃの猫を「かわいい」と感じるのでしょうか。
その理由は、人間の本能に深く関わっていると考えられています。
具体的には、丸い顔、大きな瞳、そしてちょこんと低い鼻といった特徴が、人間の赤ちゃんを連想させるからです。
これは「ベビーシェマ」と呼ばれる特徴で、人はこのような姿を見ると、無意識に「守ってあげたい」「お世話をしたい」という気持ちが引き起こされると言われています。
SNSで鼻ぺちゃの猫がアイドル的な人気を博すのも、この本能的なかわいさが大きく影響しているのです。
豆知識:ベビーシェマとは?
ベビーシェマは、動物行動学者のコンラート・ローレンツが提唱した概念です。
生物の幼体が持つ共通の特徴(丸い頭、大きな目、短い鼻など)を指し、成体に保護や世話を促す信号として機能するとされています。
鼻ぺちゃ猫のかわいさは、まさにこのベビーシェマの特徴を備えているためと言えるでしょう。
つまり、私たちが鼻ぺちゃの猫に惹かれるのは、ただ見た目がユニークだからというだけでなく、私たちの心に備わった「愛おしい」と感じるスイッチを押されるからなのです。
まん丸な顔とずんぐりした体型が特徴

ブリティッシュショートヘアが放つ魅力の源泉は、愛嬌のある鼻ぺちゃな顔だけに留まりません。
むしろ、見る者を惹きつけてやまないのは、体全体で表現される「丸み」を帯びた独特のフォルムにあると言えるでしょう。
この猫種は「セミコビータイプ」と呼ばれる、がっしりとした骨格に分類されます。
補足:セミコビータイプとは?
猫の体型は、骨格によっていくつかのタイプに分類されます。
その中で「コビータイプ」は、短い胴体に幅の広い肩と腰、太く短い足を持つ、ずんぐりした体型を指します。
代表的な猫種はペルシャやエキゾチックショートヘアです。
「セミコビータイプ」は、このコビータイプに準じつつも、胴体が少しだけ長めの体型を指し、力強さと安定感を兼ね備えています。
セミコビータイプのブリティッシュショートヘアは、幅の広い胸板とがっしりした肩を持ち、短い首がその力強さを際立たせています。
足も同様に短く太めで、どっしりと大地を踏みしめるような安定感があります。
しかし、ただ力強いだけでなく、筋肉質でありながらもどこか「コロコロ」とした愛らしい印象を与えるのは、この猫種が持つ二つの大きな特徴によるものです。
高密度の被毛が生む柔らかなシルエット
一つ目の特徴は、まるでベルベットのように滑らかで、非常に密度の高い被毛です。
ブリティッシュショートヘアの被毛は、皮膚を保護する役割の太いオーバーコート(上毛)と、保温を担う細く柔らかいアンダーコート(下毛)から成る「ダブルコート」構造になっています。
特にこのアンダーコートが驚くほど密生しているため、筋肉質な体のラインを覆い隠し、全体として角のない柔らかなシルエットを生み出しているのです。
この厚みのある被毛のおかげで、触れたときには見た目通りの弾力を感じられます。
ただし、この魅力的な被毛は、換毛期になると大量の抜け毛となって現れます。
特に春と秋には念入りなブラッシングが必要になる点は、飼育を考える上で注意しておきたいポイントです。
成長と共に完成する「丸さ」の魅力
そしてもう一つの特徴は、成長過程で顕著になる「丸さ」の発達です。
子猫の頃はやや手足が長く、スリムに見えることもありますが、成熟するにつれて頬の肉(チーク)が豊かに発達し、顔の丸みが一層強調されます。
このぷっくりとした頬は「ウィスカーパッド(ヒゲ袋)」の膨らみと相まって、何とも言えない愛嬌のある表情を作り出します。
かの有名な『不思議の国のアリス』に登場する「チェシャ猫」のモデルになったという逸話も、この特徴的な丸顔と、口角が上がって見えるウィスカーパッドから着想を得たと言われており、多くの人が納得するところでしょう。
このように、骨格から被毛、そして成熟していく過程の全てが、ブリティッシュショートヘアならではの「丸さ」という魅力に貢献しています。
ただ単に太っているのではなく、しっかりとした骨格と筋肉の上に、豊かな被毛が合わさって生まれる健康的な丸みこそが、この猫種の代えがたい個性なのです。
穏やかで自立心の強い性格

ぬいぐるみのような愛らしい容姿から、常に抱っこしていたくなるような甘えん坊な性格を想像されるかもしれません。
しかし、ブリティッシュショートヘアの性格の核となっているのは、見た目とは少し趣の異なる、賢く落ち着いた「自立心」です。
この奥深い性格は、彼らが人間と共に歩んできた長い歴史にそのルーツがあります。
ワーキングキャットとしての歴史が育んだ知性
もともとこの猫種は、ローマ時代からイギリスの農場や家庭でネズミを捕り、食料を守る「ワーキングキャット」として重宝されてきました。
人に管理されるだけでなく、自ら考えて獲物を追い、辛抱強く待ち、行動する能力が求められたのです。
こうした背景が、現代のブリティッシュショートヘアにも受け継がれる、優れた状況判断能力と、物事に動じない落ち着きを育んだと考えられます。
このため、些細なことでパニックになったり、神経質に鳴き続けたりすることは少なく、非常に穏やかな気質を持つ個体が多いのも特徴です。
大きな声で鳴くことも稀で、その物静かなたたずまいは、集合住宅での暮らしにも適していると言えるでしょう。
また、子供や他のペットに対しても寛容な一面があり、相手がしつこくしなければ、冷静に距離を保ちながらうまく共存できることが多いです。
まさに「英国紳士」という言葉がしっくりくるような、知的で落ち着いた佇まいですよね。
騒がず、常に冷静さを保つ姿に、多くの飼い主さんが魅了されています。
「つかず離れず」の絶妙な距離感と愛情表現
前述の通り、自立心が強いため、過度なスキンシップを好まない傾向があります。
人間の都合で抱き上げられたり、長時間撫でられたりするのは苦手な子が多いでしょう。
この点は、猫と常にべったりと触れ合いたいと考える方にとっては、少し寂しく感じられるかもしれません。
しかし、彼らが愛情深くないというわけでは決してありません。
むしろ、彼らなりの方法で、静かに、しかし確かに愛情を表現してくれるのです。
飼い主さんが彼らのサインを理解することで、より深い信頼関係を築くことができます。
ブリティッシュショートヘアなりの愛情表現
- そっと側に寄り添う:飼い主がくつろいでいると、いつの間にか隣や足元に来て静かに座っています。
- 後をついて歩く:家の中を移動すると、さりげなく後をついてきて、同じ空間にいることを好みます。
- ゆっくりと瞬きをする:目を見つめて、ゆっくりとまばたきをしてくれるのは、猫の世界で「信頼している」「大好き」というサインです。
- 喉をゴロゴロ鳴らす:撫でられている時やリラックスしている時に、満足の印として喉を鳴らします。
このように、彼らの愛情は「押し付けがましくない」のが特徴です。
人間の価値観で「抱っこさせてくれないから懐いていない」と判断するのではなく、こうした細やかなサインに気づき、応えてあげることが大切になります。
接し方の注意点
自立した性格を尊重し、彼らがひとりで静かに過ごしている時間を邪魔しないようにしましょう。
しつこく構いすぎると、猫にとって大きなストレスとなり、飼い主さんを避けるようになってしまう可能性もあります。
猫の気分を読み取り、彼らが望むタイミングで関わってあげる、猫中心の付き合い方が求められます。
もちろん個体差はありますが、こうした「穏やかさ」と「自立心」のバランスは、日中お仕事などで家を空ける時間が長い方や、初めて猫を飼う方にとっても、過度に心配することなく共に暮らしやすい、大きな魅力と言えるでしょう。
他の鼻ぺちゃ猫の種類と特徴の違い

「鼻ぺちゃ猫」と一括りに言っても、その種類はさまざまです。
ブリティッシュショートヘアの他に、代表的な鼻ぺちゃ猫としてエキゾチックショートヘアやペルシャなどが挙げられます。
では、彼らにはどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの猫種の特徴を理解することで、ブリティッシュショートヘアならではの魅力がより明確になります。
ここでは、性格、被毛の長さ、お手入れのしやすさの観点から比較してみましょう。
猫種 | 性格の傾向 | 被毛 | お手入れ |
---|---|---|---|
ブリティッシュショートヘア | 穏やか、自立心が強い、賢い | 短毛(高密度) | 比較的楽(週3〜4回のブラッシング推奨) |
エキゾチックショートヘア | マイペース、穏やかだが遊び好き | 短毛 | 比較的楽だが、涙やけケアが重要 |
ペルシャ | 温和、物静か、のんびり屋 | 長毛 | 毎日のブラッシングが必須 |
ヒマラヤン | 穏やかで人懐っこい | 長毛 | 毎日のブラッシングが必須 |
このように比較すると、ブリティッシュショートヘアは落ち着いた性格と、比較的お手入れがしやすい被毛を両立している点が特徴的です。
もちろん、どの猫種にも代えがたい魅力がありますが、ご自身のライフスタイルに合った子を選ぶ際の参考になるはずです。
鼻ぺちゃで長毛タイプはいるの?

はい、その問いに対する答えは明確に「イエス」です。
ブリティッシュショートヘアの丸い体型と穏やかな性格はそのままに、豪華で長い被毛を持つ「ブリティッシュロングヘア」という猫種が確かに存在します。
まるでテディベアのようなショートヘアの魅力とはまた異なる、優雅で気品あふれる姿が人気を集めています。
長毛種が生まれる遺伝の仕組み
「ショートヘアの猫から、なぜロングヘアの子が生まれるの?」と不思議に思われるかもしれません。
この背景には、猫の遺伝子の仕組みと、ブリティッシュショートヘアが歩んできた歴史が深く関わっています。
かつて、この猫種の体型や毛色のバリエーションを豊かにするために、ペルシャ猫との交配が行われた時期がありました。
その結果、一部のブリティッシュショートヘアは、見た目には現れない「長毛になる遺伝子」を潜在的に受け継ぐことになったのです。
補足:優性遺伝と劣性遺伝
猫の毛の長さを決める遺伝子には、短い毛になる「優性遺伝子」と、長い毛になる「劣性遺伝子」があります。
優性遺伝子は一つでもあるとそちらの特徴が現れるため、短毛の遺伝子を持つ猫はショートヘアになります。
一方で、劣性遺伝子である長毛の特徴が現れるのは、両親から長毛遺伝子を一つずつ受け継いだ場合のみです。
このため、見た目はショートヘアの親同士からでも、両方が長毛遺伝子を隠し持っていれば、確率的に長毛の子猫が誕生することがあるのです。
当初、このような長毛の子は血統から外されることもありました。
しかし、その優雅な美しさと穏やかな性格から次第に人気が高まり、現在では「ブリティッシュロングヘア」という独立した猫種として、TICA(The International Cat Association)など多くの主要な猫血統登録団体で公認されています。
被毛とお手入れの重要性
ブリティッシュロングヘアの最大の魅力は、なんといってもその豪華な被毛です。
ショートヘアと同じく密度の高いダブルコートですが、オーバーコート(上毛)もアンダーコート(下毛)も長く、シルクのように滑らかな手触りをしています。
特に首周りや胸元、そしてフサフサの尻尾の毛量は豊かで、気品のある印象を与えます。
ただし、この美しい被毛を維持するためには、ショートヘアよりも格段に丁寧なお手入れが不可欠です。
毛質はペルシャほど繊細で絡みやすいわけではありませんが、それでも毎日のブラッシングを怠ると、すぐに毛玉ができてしまいます。
ブラッシングのポイント
- 毎日の習慣に:毛玉は皮膚の通気性を悪くし、皮膚病の原因にもなります。毎日数分でも良いので、ブラッシングを習慣にしましょう。
- 道具を使い分ける:まずは毛のもつれを優しくほぐす「ピンブラシ」を使い、仕上げに毛並みを整える「コーム(櫛)」を通すのがおすすめです。
- 特に注意すべき場所:動きによって摩擦が起きやすい脇の下、お腹、足の付け根(内股)などは特に毛玉ができやすい箇所です。重点的にケアしてあげてください。
性格はショートヘア譲りの穏やかさとおっとりした賢さを持ち合わせていますが、日々のケアを通して愛猫とのコミュニケーションを深める時間も大切になります。
「ショートヘアの愛らしい体型と性格は好きだけれど、よりゴージャスでフワフワな抱き心地を求めたい」という方にとって、ブリティッシュロングヘアは、日々のケアも楽しみと捉えられるならば、まさに理想的な家族となってくれるでしょう。
ブリティッシュショートヘアの鼻ぺちゃを飼う注意点
- 知っておくべき飼育上のデメリットは
- 鼻ぺちゃ猫が注意したい特有の病気
- 鼻水が出やすい?日頃のケアと対策
- 熱中症や肥満にも注意が必要
- 食事で顔が汚れやすい時の工夫
- まとめ:ブリティッシュショートヘアの鼻ぺちゃとの暮らし
知っておくべき飼育上のデメリットは

愛らしい姿で私たちを癒してくれる鼻ぺちゃのブリティッシュショートヘアですが、家族として迎える前には、その特有の骨格に起因するデメリットや注意点を正しく理解しておくことが非常に重要です。
可愛いという理由だけで安易に飼い始めると、後から「こんなはずではなかった」と後悔することになりかねません。
飼育上の主なデメリットと注意点
- 呼吸器系のトラブル:鼻腔が狭いため、いびきをかきやすく、呼吸器系の病気にかかりやすい傾向があります。
- 目のトラブル:涙が溜まりやすく、「流涙症」になりやすいです。放置すると皮膚炎の原因にもなります。
- 食事のしにくさ:顔が平たいため、フードがうまく食べられず、顔周りを汚しやすいです。
- 歯の問題:顎が小さく歯が密集しているため、歯石が付きやすく歯周病のリスクが高いとされます。
- 体温調節の難しさ:鼻呼吸による熱の放出が苦手なため、熱中症になりやすいです。
これらのデメリットは、いずれも日頃のケアや環境整備によってリスクを軽減できるものがほとんどです。
しかし、医療費やお手入れの手間が他の猫種よりかかる可能性があることは、覚悟しておく必要があるでしょう。
これらの点を十分に理解し、責任を持って生涯お世話ができるかを考えることが大切です。
鼻ぺちゃ猫が注意したい特有の病気

前述の通り、鼻ぺちゃの猫はその特徴的な骨格から、特定の病気にかかりやすい傾向があるとされています。
愛猫に健やかな毎日を過ごしてもらうためには、飼い主さんがこれらの病気について知識を持ち、早期発見に努めることが何よりも重要になります。
特にブリティッシュショートヘアにおいて、注意が必要とされる代表的な病気には以下のようなものがあります。
注意したい主な病気
肥大型心筋症(HCM):
心臓の筋肉が厚くなり、心臓の働きが悪くなる遺伝性の病気です。初期症状がほとんどなく、突然発症することもあるため、定期的な検査が推奨されます。
多発性嚢胞腎(PKD):
腎臓に「嚢胞(のうほう)」と呼ばれる水の袋が多数でき、徐々に腎機能が低下していく遺伝性の病気です。遺伝子検査で発症リスクを調べることが可能です。
流涙症(りゅうるいしょう):
鼻涙管が圧迫されて涙がうまく排出できず、常に涙目になったり目やにが多くなったりします。こまめに拭き取り、清潔に保つケアが大切です。
これらの病気は、いずれも早期発見・早期治療が鍵となります。
年に一度は動物病院で健康診断を受け、獣医師に気になる点を相談する習慣をつけましょう。
特に遺伝性疾患については、お迎えする際にブリーダーやペットショップに親猫の検査歴などを確認することも、リスク管理の一環として有効です。
鼻水が出やすい?日頃のケアと対策

「鼻ぺちゃの猫は、フガフガと鼻を鳴らしたり、鼻水を垂らしたりしやすい」という話を耳にしたことがあるかもしれません。
これは、ある程度事実であり、多くの場合は短頭種特有の鼻の構造に原因があります。
鼻の穴が狭い「鼻腔狭窄(びくうきょうさく)」や、喉の奥の軟口蓋という部分が長い「軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)」といった、いわゆる「短頭種気道症候群(BAOS)」が関係していることが多いのです。
これにより、呼吸がしにくくなったり、くしゃみや鼻水が出やすくなったりします。
遊んだ後に少し鼻息が荒くなったり、時々くしゃみをしたりする程度であれば、個性として見守れる範囲かもしれません。
ただ、注意したいのは「猫風邪」との見分けです。
猫風邪との見分け方と対策
もし鼻水が黄色や緑色がかっている、粘り気がある、元気や食欲がないといった症状が見られる場合は、猫風邪(猫カリシウイルス感染症など)の可能性があります。
この場合は、すぐに動物病院を受診してください。
一方、透明でサラサラした鼻水が時々出る程度で、本人は元気な場合は、以下のような日頃のケアで様子を見ることが多いです。
- 顔を清潔に保つ:湿らせたコットンなどで、こまめに鼻周りを拭いてあげます。
- 室内環境を整える:ホコリやアレルギー物質が刺激にならないよう、こまめな掃除や空気清浄機の使用が効果的です。
いずれにしても、呼吸が苦しそう、いびきが異常に大きいなど、気になる症状があれば自己判断せず、かかりつけの獣医師に相談することが最も安心です。
熱中症や肥満にも注意が必要

鼻ぺちゃのブリティッシュショートヘアとの暮らしでは、呼吸器系の問題以外に、熱中症と肥満という2つのリスクにも常に気を配る必要があります。
これらは密接に関連しており、肥満が熱中症のリスクを高めることもあります。
熱中症対策
鼻ぺちゃの猫は、鼻呼吸による体温調節(パンティング)が他の猫ほどうまくできません。
そのため、暑い環境に非常に弱く、熱中症になりやすいのです。
特に夏場は、エアコンで24時間、室温を26〜28℃程度に保つことが必須です。
また、いつでも新鮮な水が飲めるように、水飲み場を複数設置してあげることも重要です。
肥満対策
ブリティッシュショートヘアは、もともと運動量が少なく、のんびり過ごすことを好む傾向があります。
そのため、意識的に運動させないと肥満になりやすい猫種です。
肥満は、関節への負担や糖尿病のリスクを高めるだけでなく、気道を圧迫して呼吸をさらに苦しくさせてしまう恐れがあります。
食事管理と運動を徹底しましょう。
フードはパッケージに記載された量を守り、おやつを与えすぎないように注意が必要です。
また、1日に5分〜10分でも良いので、猫じゃらしなどのおもちゃを使って集中して遊んであげると、良い運動になります。
キャットタワーを設置して、上下運動を促すのもおすすめです。
食事で顔が汚れやすい時の工夫

鼻ぺちゃの猫を飼っていると、食事のたびに顔中フードだらけ…という光景は日常茶飯事かもしれません。
これは、顔が平らなためにフードボウルの奥まで顔を入れにくく、うまく食べられないことが原因です。
ただ汚れるだけでなく、食事がストレスになったり、皮膚炎の原因になったりすることもあるため、工夫してあげましょう。
最も効果的なのは、フードボウルを見直すことです。
猫が食べやすいように設計された食器が数多く市販されています。
フードボウル選びのポイント
- 浅くて広いお皿:ヒゲが当たりにくく、顔がすっぽり入らないため食べやすいです。
- 高さがある(脚付きの)お皿:首を大きく曲げずに済むため、楽な姿勢で食事ができます。吐き戻しの軽減にも繋がると言われています。
- 傾斜がついたお皿:フードが自然に手前に集まるため、最後まで食べやすくなります。
これらの食器に変えるだけで、食べこぼしが劇的に減ることがあります。
また、どうしても汚れてしまった場合は、食後に湿らせたガーゼやペット用のウェットティッシュで優しく拭き取り、常に清潔な状態を保ってあげてください。
顎の下などは猫自身では毛づくろいがしにくい場所なので、飼い主さんのサポートが不可欠です。